Posted by : Kyoko Mstra 2015年8月29日土曜日



今回のセミナーでは、「翻訳者とオカネのはなし」というテーマだけあって、翻訳レートや収入などに着目したお話が多かったです。とりわけ印象に残っているのは、パネリストの1人がおっしゃった「プロとアマの違いはスピード」という言葉。こなした翻訳の量や分野、習得した知識が多ければ多いほどスピードに反映されるのだから、なるほど「スピード」か、と納得しました。

そして「スピード」を重視しているためかレートにはそれほど拘っていらっしゃらない印象を受けました(あまりにも安い単価は論外だと思いますが)。確かに、レートが少々低くても、一時間、一日に処理できる語数が増え、仕事がない期間を減らせば、結果的には収入は伸びていくのだから、1円、5銭のレートの違いに固執する必要はそれほどないのかもしれないと思いました。

「安いレートで受ける翻訳者がいるから翻訳業界は値崩れを起こし、フリーでやっている本当に実力のある翻訳者が生活できなくなり廃業する、だから『低単価で受ける=悪』である」というようなことを以前に聞いたことがあります。自分もその考え方に捕らわれていた部分があったのですが、今回のセミナーではこれと真逆のこと(もちろん、単なる「安売り」ではなく、自分なりの理念あるいは考え方に基づくリーズナブル単価)を聞き、目から鱗が落ちました。一方、自分ブランドとクオリティを高め、差別化したレートを設定し維持しているというベテラン翻訳者もいらっしゃいました。

「翻訳業界のサプライチェーン」というお話では、ユーザー(エンドクライアント)と、メーカー(翻訳エージェントへの依頼者)のニーズが異なることがままある、そして末端のフリーランス翻訳者とメーカーの間に立つ翻訳エージェントが当の客の要望をよく分かっていない場合がある、ということを面白い例えで説明していただきました。自分は、サプライチェーンのどこのニーズに応えていけば、リピートオーダーの来る翻訳者になれるかということを考えました。


今回は、今まで井の中の蛙状態で翻訳をしていた私が、翻訳という仕事、そしてその対価としての報酬を多角的な視点から知り、考えることができ、自分の翻訳に対するスタンスを見直すきっかけを与えてくれた貴重なセミナーでした。

ET様




「翻訳者のオカネのはなし」というテーマのセミナーでしたが、まさに翻訳業界の「オカネ」の仕組みが図式化できてしまうような、非常に有益な情報を得ることができました。

パネルディスカッションのトピックの一つである「翻訳会社のトライアル以外の特に直受け向けの営業活動」は、最近個人的によく考える内容でしたので、とても興味深く拝聴いたしました。

私は現在、フリーランス翻訳者として翻訳会社に登録して仕事を頂いているのですが、原文に対する疑問をクライアント(メーカーや特許事務所)に直接相談できないことが、作業を進める上でストレスに感じてしまいます。クライアントから直接仕事を請ける“直受け”であれば、メールや電話一本ですぐに解決できるので、作業効率もアップするのになぁ…と、モヤモヤすることがよくあります。

この点は、セミナーでも、「仕事の上流(クライアントの本意)を探る」というテーマで先輩からお話を頂きました。クライアントと翻訳者の間に、翻訳会社などのエージェントが入ると、どうしてもクライアントの本意が翻訳者に伝わりにくくなり、またその逆もしかり、という内容でした。クライアントと直接コンタクトを取るということは、正確な翻訳につながる。また、クライアントからのフィードバックを翻訳者に伝えることは、翻訳の質を上げるためにとても重要。そういった意味では、クライアントと翻訳者を繋ぐエージェントはとても大切な存在だけど、残念ながらその存在が上手く機能できていないケースもあるそうです。

セミナーのメインテーマである「オカネ」の面でも、直受けに夢をはせていました。エージェントを介して仕事を請けるよりも、直受けの方が、当然レートも高くなり収入アップにつながるだろうという浅はかな予測から、私もいつか直受けで仕事をもらえるような実力を身に付けたいなぁ…と考えておりました。

そんな憧れの直受けですが、必ずしも良い面ばかりではないことを、今回先輩方のお話から垣間見ることができました。

直受けの場合、仕事の依頼がイレギュラーだったり、急だったりすることが珍しくなく、その上、色んな雑務も引き受けなければならないこともあるそうです。エージェントを介すると、その分当然レートは低くなるけれど、私のようなフリーランス翻訳者が働きやすいように、見えない所で多大な労力を費やして下さっていることに、改めて気付かされました。

高いレートで手間のかかる仕事をするにせよ、低いレートでやりやすい仕事をするにせよ、最終的に“時間単価”を見定めて今の自分に一番合った働き方を模索するという道を、今回のセミナーで発見することができました。将来、翻訳者人生の岐路に立った時、今回のセミナーで先輩方から得た知識が、きっと道しるべ、心の拠り所になってくれると思います。本当にありがとうございました。

MR様


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