Posted by : Unknown 2014年5月1日木曜日

《会員エッセイ》





早いもので、翻訳の仕事を始めてからこの春でちょうど10年になります。翻訳を始める前の約20年間は英語講師でした。結局、社会に出てから30年あまり、ずっと仕事で英語に関わってきたことになります。

今までの約30年間の英語ライフを振り返るにあたり、久しぶりにある本を開いてみました。私の友人である安井京子さんが書いた『女は英語でよみがえる』です。この本は最初に19996月に発行され、200812月には内容を増補・改訂して発行されました。1999年版では富山に住む英語講師の私、2008年版では「英語講師からフリーの在宅翻訳者へ転身」した私が紹介されています。

この本にも書かれているように、私が元々英語を教える仕事についたのは、英語を使って収入を得るにはそれが一番手っ取り早いと思ったからでした。中学校の教員から始まり、その後予備校や学習塾、英会話スクール、企業研修などで英語を教えてきましたが、上がり症でもあり、これらの仕事はストレスを感じることも多い仕事でした。

そこで、前から気になっていた翻訳の仕事をそろそろやってみたくなり、翻訳スクールに通い出したのが44歳のとき。本では「四十路を過ぎてからの転身を志したチャレンジ精神」と褒めていただきましたが、実は、40歳を過ぎた頃から「こんなしんどい仕事は若いもんがすればよろし。わしはそろそろ引退じゃ!」と内心思っておりました。

スクールのIT翻訳コースで1年間学んだ後、翻訳会社のトライアルに合格し、フリーランスで翻訳の仕事を開始しました。トライアルに合格したとき、これで教える仕事をしないで済むと思ったらホッとしたのを覚えています。

収入について考えるとき、いつもフルタイム講師だったときの年収を基準にするのですが、翻訳の仕事を始めて3年目でこの年収に追いつき、それ以降、不況の影響で収入が減った2009年でさえも、この基準のラインを下回ることはありませんでした。ストレスフルな辛い思いをして得たのと同じ額の収入を、楽しく仕事して得られるのだから、自分にとってこんなにいい仕事はありません。もう講師の仕事には戻りたくない。ずっと翻訳だけやっていこう。そう思っていたのですが

昨年の夏、ある翻訳スクールから突然メールが来ました。なんと!通信講座の講師をお願いしたいとのこと。翻訳の仕事について教えた経験がないので、はたして自分にできるのかどうか不安でしたが、翻訳の仕事を始めてもうすぐ10年になるし、そろそろ「仕事獲得を目指す受講生の方々を指導」して手助けすることも考えてもよいのではないかという考えに至り、お引き受けすることにしました。

「自分自身英語を勉強していくことが楽しいし、英語力を伸ばしていこうという人を助けることも楽しいんです。」

本を見直すまで忘れていましたが、2008年版の例の本で私はこう語っています。そういえば、当時はそう思いながら教えていたかもしれないなあと、当時の気持ちを思い出しました。

そうそう。教える仕事もそう悪くないかもしれません。翻訳の仕事が楽しいし、翻訳の仕事獲得を目指す人を助けることも楽しい。今後の私の翻訳ライフはこの路線で行きましょう!

猫先生



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